【令和8年5月24日までにスタート】法定養育費制度の創設【離婚】
質問:家族法(民法)が改正されて、令和8年6月までには、養育費を決めずに離婚した場合でも、国の基準額の養育費を請求できるようになると聞きましたが、どのような制度になりますか。
養育費を決めずに離婚する場合もあり、離婚後、養育費の支払いが十分に受けられずに困窮する、ひとり親家庭が社会問題になっていました。
このため、養育費を決めずに協議離婚した場合に、法律上当然に一定の養育費の支払い義務が生じるものとして「法定養育費」の制度が新設されました。(改正民法766条の3)
なお、「法定養育費」の制度は、令和6年11月28日現在は未実施ですが、令和8年5月24日までにはスタートすることが決まっています。
まだ、政令等が整備されていない事項もありますが、「法定養育費制度」の概要は、次のようなものになります。
(1)「法定養育費制度」の概要
① どんな離婚の場合?
養育費を決めない協議離婚、裁判離婚(民法749条)、認知(民法788条)
② 誰が請求できる?
実際に、子供を監護している方の親
③ 法定養育費の金額
法務省の政令により算定した額(令和6年11月28日現在不明)
④ 始期
始期は、「離婚の日の属する月」(改正民法766条の3第1項)
開始月は、日割り計算(改正民法766条の3第2項)
⑤ 終期
協議や審判で養育費が決まった日、又は子が成年に達した日(改正民法766条の3第1項)
終わりの月も、日割り計算(改正民法766条の3第2項)
この①~⑤の事項が法律上当然に決まるので、非監護親に請求できることになります。
(2)非監護親の保護手続き
養育費を決めずに離婚したひとり親からすれば、法定養育費制度はありがたい制度となります。
他方、非監護親からすれば、養育費が自動的に決めらるので、実際の支払い能力を超える養育費が請求されて困ってしまうことになりかねません。
そこで、非監護親の方が採り得る対処方法が用意されました。
① 支払拒絶権
非監護親が、
・法定養育費の「支払い能力を欠く」か、
・法定養育費を支払うと「生活が著しく窮迫する」か、
いずれかを証明すれば、
法定養育費の支払いの全部又は一部を拒むことができる。
② 裁判所による免除
非監護親が、養育費調停・審判を申し立てた結果、新たに(変更含む)養育費を定めた場合、裁判所は、過去の法定養育費債権について、非監護親の支払い能力を考慮して、全部又は一部を免除することができる。
(必ず減免されるわけではありません。)
なお、一般の方がこれらの手続きを行い、差押えまで行うのはとても大変です。
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